Claude に記憶させる:CLAUDE.md と自動メモリの使い方
毎回同じ説明をしなくて済むように。Claude アプリのメモリ、CLAUDE.md の書き方、自動メモリの仕組みと、日本の職場で使いやすい設定例を紹介します。
「Claude は毎回忘れてしまう」という声をよく聞きます。技術スタックも、文体のルールも、先週決めたことも、セッションを閉じるたびに説明し直している。実は Claude には記憶の仕組みがいくつか用意されていて、どこに書けばいいかを知っていれば、同じ説明を繰り返すことはほとんどなくなります。
記憶は「アプリ」と「Claude Code」で別々
まず押さえておきたいのは、ブラウザやデスクトップの Claude アプリと、ターミナルで使う Claude Code では、記憶の保存場所が別だということです。
- Claude アプリのメモリ:チャットの内容から、あなたの仕事や好みを覚えます。
- CLAUDE.md:Claude Code が毎回のセッション開始時に読む、あなたが書く指示書です。
- 自動メモリ:Claude Code が作業しながら自分で書き残すメモです。
Claude アプリ側の設定
設定(Settings)のメモリ(Memory)を開き、チャットからメモリを生成する設定と、過去のチャットを検索して参照する設定をオンにします。過去チャットの検索は有料プランが対象です。覚えている内容は一覧で確認でき、間違いがあれば編集や削除ができます。
取引先ごとに仕事をしている方は、プロジェクト機能を使い分けるのがおすすめです。プロジェクトごとに記憶が分かれるので、A社の情報がB社の資料作成に混ざる心配を減らせます。
自分用の CLAUDE.md を書く
Claude Code では、~/.claude/CLAUDE.md がすべてのプロジェクトで読み込まれます。ここに自分の仕事の進め方を書きます。日本語で書いて問題ありません。
# 仕事の進め方
- ユーザー向けの文章は「です・ます」調で書く。
- 英数字は半角、かっこは全角で統一する。
- 新しいライブラリを追加する前に必ず確認する。
- 指示があいまいなときは、作業前に質問を1つだけする。
- .env や認証情報は絶対にコミットしない。
ポイントは、確認できるくらい具体的に書くことです。「きれいなコードを書く」では何も変わりません。「作業完了と言う前にテストを実行する」なら、Claude は実際にそう動けます。
プロジェクトごとの CLAUDE.md
プロジェクトのフォルダで /init を実行すると、Claude がコードを読んで、ビルドやテストのコマンド、見つけた規約をまとめた CLAUDE.md の下書きを作ります。そこに、コードからは読み取れない情報を足していきます。たとえば「この画面は顧客の要望で英語表記を残している」「本番反映は金曜日に行わない」といった社内の事情です。
- チームで共有するなら CLAUDE.md をコミットします。
- 自分だけのメモは
CLAUDE.local.mdに書き、.gitignoreに追加します。 - 1ファイル200行未満が目安です。長くなるほど守られにくくなります。
設計資料など別のファイルを読み込ませたいときは、CLAUDE.md の中に @docs/architecture.md のように書くと取り込めます。ただし取り込んだファイルも起動時に読み込まれるので、整理には役立ちますが、容量の節約にはなりません。
特定のフォルダにだけ関係するルールは .claude/rules/ に分け、paths で対象を指定すると、該当ファイルを扱うときだけ読み込まれます。
自動メモリに覚えさせる
Claude Code の自動メモリは、初期設定でオンになっています。作業中に受けた指摘や、コードからはわからないプロジェクトの事情を、Claude が自分でメモしていきます。保存先は ~/.claude/projects/<プロジェクト>/memory/ で、目次にあたる MEMORY.md の先頭200行が毎回読み込まれます。
覚えてほしいことがあれば、そのまま頼めば大丈夫です。
検証環境のデータベースは毎週月曜日にリセットされることを覚えておいて。
CLAUDE.md に書いてほしい場合は「これを CLAUDE.md に追加して」と伝えます。/memory を実行すると、CLAUDE.md の編集、自動メモリのオンオフ、保存された内容の確認ができます。中身はただの Markdown なので、古くなった情報は自分で消して構いません。
記憶は「ルール」ではなく「文脈」
CLAUDE.md もメモリも、Claude が読んで従おうとする文脈であって、強制力はありません。コミット前に必ず整形する、危険なコマンドを止めるなど、毎回確実に実行したいことはフックで設定します。また、/context を実行してメモリファイルの欄に自分の CLAUDE.md が表示されているかも確認しておきましょう。表示されていなければ、Claude には見えていません。
続けるための小さな習慣
- 同じミスを2回されたら、CLAUDE.md に1行足す。
- 同じ説明を2回したら、「覚えておいて」と頼む。
- 週に一度
/memoryを開き、古いメモを消す。
まずは ~/.claude/CLAUDE.md に自分の仕事の進め方を5行書き、メインのプロジェクトで /init を実行してみてください。読み込みの順番など詳しい仕様は、公式ドキュメントのメモリの解説で確認できます。